ザンビアのマタニティハウス ~彼らの創造力から学ぶもの~
縁あって2008年にアフリカのザンビアという国を訪ねて以来、この国の農村にお産の施設を作る仕事に関わるようになった。これまでヨーロッパやアジアに暮らしたこともあったが、アフリカというのは比べ物にならないほど魅力的だ。私たちが既に失ってしまった、「『ない』ところから何かを生み出せる力」が彼らにはとても強く、そんな彼らの野性的な生き様にこそ、私たちがこれから目指すべき未来があるのでは、といつも感じている。 新興国と変わらない都市部...
『よみがえった茅葺の家』
神戸市の登録有形文化財第一号に登録されている大前家(神戸市北区道場町)の移築・再生の記録集である。大前家は江戸時代後期に建てられた農家であり、所有者である大前延夫さんは22歳まで、この農家で育った。高速道路の建設に伴い壊すか移転するかを迫られた大前延夫さんは、同じ町内日下部に土地を取得、いるか設計集団に移築・再生を依頼、本書は、その依頼から竣工までの記録集である。...
我国将来の建築様式を如何にすべきや
「日本らしい」様式を求めて・・・いまだ結論の出ない討論会 <我国将来の建築様式を如何にすべきや> 1910年に建築学会(現:日本建築学会)が開催した討論会。日露戦争に勝ち、列強に並んだ日本が今後の建築様式を議論した、いわゆる「様式論争」。建築家や建築史家らが、多様な「日本らしい」様式を主張した。 -...
神殿か獄舎か
権威的な「神殿」は欺瞞、「獄舎」にこそ建築的想像力がある <神殿か獄舎か> かつて建築家アドルフ・ロースは『装飾と罪悪』を通じて装飾を罪とし、近代建築の誕生を促した。これに対し、批評家・長谷川堯は建築が持つ罪深さに着眼して『神殿か獄舎か』を書き上げた。この中で長谷川は丹下健三を徹底批判しつつ、装飾や触覚を評価する視点を導き出し、戦後日本建築の多様性や可能性を押し広げた。 -...
『トンブクトゥ 交界都市の歴史と現在』
稀代のフィールドワーカーによる珠玉の都市モノグラフである。建築、都市計画の分野における住居、集落、都市研究にとっても、必読書と言っていい。...
『津波被災と再定住 コミュニティのレジリエンスを支える』
本書のもとになっているのは、学位請求論文『津波被災者の再定住地への移住関係の再編に関する研究―スリランカのインド洋津波からの復興を事例に』(京都大学、2012年1月)である。そして、この論文の執筆の最中に発生した東日本大震災の復興支援に論文執筆を中断して関わったその後の経験も踏まえて、大幅に加筆、修正したものが本書である。...
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