「知恵を集めて設計する建築や都市」
僕は、人の本棚をみるのが好きだ。クライアントの自宅に行ったり、打合せで事務所を訪ねたりすると、ついつい本棚に目を向けてしまう。その人の興味や思考に触れ、共通点を見つけたり、自分の知らない分野を発見したりする。大袈裟かもしれないが、本棚を通し、人の知恵に触れることで、コミュニケーションが始まる“スタート”を予感する。...
「熊本型デフォルト-応急仮設住宅計画」
1.はじめに 平成28年4月14日と16日に熊本県熊本地方を震源とする震度7クラスを観測して以降、一連の地震活動によって県内だけで約3,500棟にも及ぶ住宅が全半壊したといわれる。本震後から3か月を過ぎた時点で震度1以上の余震は約2千回にも及んでいる。7月末時点で県整備の応急仮設住宅は、16市町村、93団地、3,813戸が着手され、12市町村、62団地、2,871戸が工事完了している。...
事業実践者としての建築人
わたしは、大学で建築を学んだのち建設省(現国交省)に入り、2年前に退官して、現在、公立大学法人長岡造形大学の理事長の職に就いている。そうなったのは、長岡市長が大学及び国交省の先輩だった縁によるものであり、本業の大学経営にあたりながら、長岡市の施策立案のお手伝いもいくつかしている。例えば、地方創生の総合戦略、中心市街地の建物更新やリノベーション、空き家対策、景観計画、文化財の活用など。...
二地域居住から見えてくる「負け終わらない暮らし」の価値
二地域居住、二拠点生活、デュアルライフ、マルチハビテーション。 何だかいろいろな呼称がありますが、わたしはそれをしています。平日は東京に住み、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす、というスタイルです。...
省エネルギー基準を活用した設計のすすめ
はじめに ここ数年日本建築家協会の皆さんの、省エネルギー設計に関する活動(ワークショップや書籍の編纂)に加わらせていただいた関係で、この文章を書く機会が巡ってきました。もとより大学院修士課程に入った時から建築学会員ではありますが、論文以外は残念ですが貢献できたとは言えないのがこれまででした。そこで、この機会を利用させていただき建築の省エネルギー設計の現状と今後について、一学会員、一環境工学研究者として述べさせていただきます。...
都市空間の中に写す経済のかたち
経済が好不況の波をもって変動するように、都市もまた拡大や縮小を繰り返す。消費や労働を取り巻く社会の変化は日一日と加速しており、都市そのものも随時的に連鎖的に更新していくことが求められている。 青梅市街地の再生マネジメント...
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