「ことばが姿へ」(表紙1)そして「姿がことばに」(表紙4)とある。「日本はいったいどうなのだ/世界に誇れるような/廃墟をつくっているだろうか/近代文明がやがて/滅びてしまったときにも/なお歴史に記録をちどめても/廃墟としてでも/後の世に残るようなものを」と後扉(表4)に小さく記される。
全体は、吉坂隆正(とその薫陶を受けたスクールの建築家たち)の言葉からなり、大きく、Ⅰ|私はどこにいるのか?、Ⅱ|創造の端緒は発見にあり、Ⅲ|ことばの中で育ち形の中に住みつく、Ⅳ|DISCONT:不連続統一体に分けられ、01~09(章)に編まれている。巻頭に、樋口裕康「始祖鳥蘇る」、末尾に、斎藤裕子「なぜ、吉阪隆正か!」。小さな本だけれど、多くの図・写真・スケッチが収められている。
きっかけは、樋口裕康の始祖鳥吉坂ワールドを蘇らせたいという、メモとスケッチだったという。吉坂隆正の年表も丁寧に作成されている。何よりも、建築の根源に触れる珠玉のことばが鏤められている。
著者:アルキテクト
樋口裕康、斎藤祐子、北田英治・・・・橋戸幹彦、高木秀之他
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