帯には「情報過多な時代だからこそ、少しハードボイルドな学び論/教育論」「主体的に学ぶためには」とある。「まえがき」には、重要なキーワードとして、「自分ごと」「生活」「からだで学ぶ」「構成のループ」「デザイン」の5つのことばが挙げられる。全体は4部、11章からなる。第1部「自分ごとの欠如」、第2部「自分ごとで学ぶための方法」、第3部「自分ごとで研究するための方法」、第4部「知をデザインするマインド」という構成で、「自分ごと」が強調される。共著者二人が属する人工知能学会監修に『一人称研究のすすめ』があるが、自分で考えるというのが強いメッセージである。「生活」「からだで学ぶ」というのも、情報に振り回されるのではなく、日常生活に立脚して、自らの身体、全感覚を通じて学ぶということが重要だということである。「構成のループ」とは、問いを立て、その答えを求める過程(生成、インタラクション、分析、インタラクション、分析、創起)と手法に関わる。そして最も重要な概念として「デザイン」あるいは「デザイン・マインド」が強調されている。
著者紹介
諏訪正樹:慶応義塾大学環境情報学部教授。1984年東京大学工学部卒業。1989年同大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。1989年日立製作所基礎研究所。1997年シドニー大学建築デザイン学科主任研究員。2000年中京大学情報科学部助教授、2004年同教授。2008年より現職。
関連書籍
人工知能学会監修:諏訪正樹・堀浩一編
『一人称研究のすすめ 知能研究の新しい潮流』
近代科学社
著者紹介
藤井晴行:東京工業大学大学院理工学研究科教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院理工学研究科建築学専攻終了。博士(工学)。一級建築士。カーネギーメロン大学大学院人文科学研究科哲学専攻、清水建設基礎研究室をへて現職。
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