本書は、京都大学建築系教室を母体とする『traverse――新建築学研究』編集委員会を中心として編まれたものです建築学の入門書である。『traverse――新建築学研究』は 2000 年 4 月に創刊され、年刊で現在まで 15 号発刊されている。
その創刊の言葉は以下のように書きだされています。
「京都大学「建築系教室」を中心とするグループを母胎として、その多彩な活動 を支え、表現するメディアとして『traverse――新建築学研究』を創刊します。『新 建築学研究』を唱うのは、言うまでもなく、かつての『建築学研究』の伝統を引き継ぎたいという思いを込めてのことです。」
序は「全てが建築である、誰もが建築家である、というのが本書の出発点にあります。すなわち、建築学というのは誰にとっても身近であり、誰もが無縁ではないということを本書の前提にしたいと思います。」と書きだされる。全体は、第1章 すべては建築である(竹山 聖)、第2章 建築は凍れる音楽である―建築論の世界(竹山 聖)、第3章 建築家なしの世界―原初の建築(布野修司)、第4章 建物は壊してはならない―歴史のなかの建築(山岸常人)、第5章 さまざまな構造形式―構造設計の夢(大崎 純)、第6章 模型を通じて力学原理を学ぶ(諸岡繁洋)、第7章 建築と環境―環境制御装置としての建築(小玉祐一郎)、第8章 文化財の保存修理と活用( 西澤英和)、第9章 作品としての都市―都市組織と建築(布野修司)、 第10章 建築というプロジェクト―建築生産の世界(古阪秀三)からなる。また、他に14のColumnが建築学の豊かな世界を多彩に説いている。
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